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不動産業者が「我が家の土地にアパートを建てて安定した家賃収入を得たらどうか」
と再三持ちかけて来ているが、いったいどうしたものかと?
以下は、ある不動産会社の新聞広告の抜粋です。
『超低金利の今だから始める!土地活用・相続対策』
納税対象者の増加や増税が見込まれる相続税。無策のままでは先々、多額の相続税が発生して資産の多くが失われる、ということにもなりかねません。
その対策として有効なアパート経営などの「土地活用」は、超低金利で資金を借り入れできる今が、計画を進める絶好のタイミング。
地方都市に行くとよくわかりますが、その周辺を見渡して見ると、どうみても不釣り合いなアパートやマンションが建っているのを目の当たりにします。
農地を宅地に替えて住宅を建てる。東京都内と比較するとまだまだ土地はあります。
農家の仕事に比べると、アパート賃貸は不労所得といわれ、農業を続けながらでもできると言われるとその気になってしまいます。土地の所有者のほとんどが高齢者の場合が多く、業者の格好のターゲットになってしまいます。
私の嫁の実家が前橋市の近郊にあり、人口(日本人)が増加している地域です。
周辺には戸建て住宅が急激に増えています。
義父は、ある程度の土地を家庭菜園などして贅沢に使っています。
私たちは、月に一度、そこに遊びに行っています。
二年程前のことですが、義父が「実は、たまに来ている銀行員が不動産屋を連れて来て、空いてる土地にアパートを建てないか、といろいろ説明をして、また来るからと言って帰って行ったが、なかなか良さそうだったよ」とまんざらでも無さそうにちょっと得意気に話していました。以来、子供たちだけではなく、来る人来る人みんなにこの話しをしていたそうです。
とうとう身内にまで、こんな誘惑が忍び寄って来るとは・・・。
義父名義の義父の土地ですから、どのように使っても文句は言えないのですが、相続税対策と称して銀行借入れさせるのですから、本人だけの問題ではありません。
子供たちが止めなければ、話はどんどん進みそうでした。
私の嫁は三姉妹の3番目ですが、その3人が集まるときに「問題点」を説明してほしいと言われ、義父も同席させて話し合いをしました。
私は、なぜこの話しに乗ってはまずいのか、そもそも論から始めて、10年後の状況を説明しました。
義父はまだまだ理解力があり、自分の子供全員から反対されたのでは勝ち目はないと思ったのか、すんなり納得してくれました。もし、事がスタートしてからでは簡単には止めることができなかったのではないかと思います。
事前に相談することがいかに大事か、を教えてくれました。
《おわり》
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