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Ⅰ.“再度” 2020年度の「公債(国債)の発行」
① 2020年度一般会計 102兆6,580億円のうち 32兆5,562億円
② 〃 第1次補正 25兆6,914億円
③ 〃 第2次補正 31兆9,114億円
計90兆1,590億円
ちなみに2020年度の国債償還額(歳出予算)は、23兆4,774億円
2020年度(単年)の発行残高
予算どおり執行されるとして90兆1,590-償還額23兆4,774=66兆6,816億円
(※ 2020年度一般会計の税収予算63兆5,130億円をはるかに上回っている)
【2020年度の公債(国債)の発行残高(累計)】
2019年度累計発行残高986兆1,000億円+2020年度分66兆6,816億円≒1,053兆円
概算1,000兆円に上る国債発行残高のうち、日銀の保有額は470兆円を超えている。
ここで「日本の財政」を日銀と財務省の決算から読み解いてみると。
日本銀行 2019年3月 貸借対照表
2018年度 国の財務書類
財務省の貸借対照表の負債には「発行した公債残高」が計上されている。しかし、資産(現金・預金)は残っていない、というより残るはずがない。資本の部に「資産負債差額」が計上され「債務超過」となっている。
日銀の貸借対照表を見ると、資産側に購入した国債が計上され、負債側には「日銀券発行額」と「預金」がある。日銀が中央銀行として市中銀行から受け入れた預金である。つまり、日銀が中央銀行として市中銀行から受け入れた預金を原資として国債を購入している。
日銀も政府と一体としてとらえ、公債(国債)を精算したとすれば、残るのは資本の部に「資産負債差額(債務超過)」と負債側の「通貨発行高」ということになる。
この意味するものは、通貨価値を担保するのは政府の「債務超過」ということになるが。
本来、日銀が紙幣を発行する場合は、資産側に計上されている国債が通貨価値を担保していたはず。しかし、その国債を精算した後は、通貨価値を担保するのは政府の「債務超過」ということになる。これはどう考えればいいのだろうか。
結局は、日銀には「日銀券の発行」権があり、政府には「徴税権」という隠れた資産があるということになるのか。
しかし、この先「日銀券の発行」が不可能になり、さらに「徴税権」を行使しても税収が増えない場合、日本はどういうことになるのか。それでも日銀は紙幣を擦りまくるのか。
Ⅱ.「この100年に一度の危機?」
「新型コロナウイルス感染症から日本経済を守り抜く手段が、現時点で年間90兆円の公債発行(借金)による大盤振る舞いという世界最大の対策によって、この100年に一度の危機から日本経済を守り抜く」という。
しかし、日本人の死者数310万人、というだけでなく全国民を巻き添えにした軍部による戦争が、1945年8月、無条件降伏により終戦となった悲劇こそが「この100年に一度の危機」なのだが。
1945年以降、こういうこともありました。参考になりますか。
戦後における我が国財政の変遷
渋沢敬三蔵相談話
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