貸倒引当金の算定方法①

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貸倒引当金の算定方法①

前T/Bの借方に表記されている債権金額を基準に総括的に貸倒引当金を引き当てるのは、とても現実的ではないし、意味がない。なぜなら、会社ごとに貸倒リスクが異なるからだ。そこで今回は貸倒引当金についてまとめる。

貸倒引当金の設定方法は大きく分けて2つある
1.総括引当法 2.個別引当法

どちらも名前からわかるように、債権をまとめて貸倒実績率を乗算し貸倒引当金を設定するものを「総括引当法」。個々の債権ごとに貸倒引当金を設定する方法を「個別引当法」という。

具体的な計算方法
1.総括引当法では、①貸倒実績率法を使用する。
2.個別引当法では、②財務内容評価法③キャッシュフロー法を使用する。


今回は、①貸倒実績率法②財務内容評価法についてまとめる。

①貸倒実績率法
 この計算方法は、経営上問題が起きていない一般債権に過去の貸倒実績率等の合理的な基準(=貸倒実績率)を乗算し算定する。

ex1)後T/Bを作成しなさい。
下記の前T/Bの債権は、全て一般債権である。
受取手形及び売掛金の期末残高の1%を引当計上する。(差額補充法)

(1,200,000+700,000)×1%=19,000
差額補充法 19,000-7,700=11,300

仕訳

(貸倒引当金繰入) 11,300 (貸倒引当金) 11,300

②財務内容評価法
 この計算方法は、貸し倒れる可能性が比較的高い貸倒懸念債権と、経営破綻した又は実質的には経営破綻している破産更生債権等から担保額を差し引きした金額を相手会社の経営状況等を考慮した割合で算定する。

ちなみに、破産更生債権等となった債権は、通常の回収はほぼ不可能な為、売掛金や受取手形勘定などから「破産更生債権等」という勘定に振替、区別しておく必要がある。

ex)図1の前T/Bを使用して後T/Bを作成しなさい。
受取手形と売掛金の内訳は以下のとおり。



前提条件
1.前T/Bの貸倒引当金は全額一般債権に対するもの
2.一般債権について
貸倒実績率法に基づき、1%の貸倒引当金を設定する。(差額補充法)
3.貸倒懸念債権について
財務内容評価法により、担保額170,000を控除した残額に50%を乗じた額を設定する。
4.破産更生債権等について
財務内容評価法により、担保額30,000を控除した残額を設定する。

一般債権
 (900,000+500,000)×1%=14,000
 差額補充法 14,000-7,700=6,300
貸倒懸念債権
 {(200,000+200,000)-担保額170,000}×50%=115,000
破産更生債権等 
 100,000-担保額30,000=70,000
貸倒引当金繰入額
 6,300+115,000+70,000=191,300

仕訳

(貸倒引当金繰入) 191,300 (貸倒引当金) 191,300
(破産更生債権等) 100,000 (受取手形) 100,000

【まとめ】
冒頭でも触れたように、債権は会社ごとに貸倒リスクが異なる。だから、リスクに応じて将来の損失に備える必要がある。話は変わるが、このように会社ごとに管理が必要であるため、「主要簿」だけでなく科目ごとの「補助簿」が必要になってくるのだ。

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