受取手形①(手形割引について)

03-3226-3091

受付時間 09:30〜17:30(定休日:土日祝)

夢乃の会計ノートAccounting note

受取手形①(手形割引について)

一般的に約束手形は、正常営業環境基準から、流動資産・流動負債に区分される。

 振出側からすると、期日を設けることができるため、経費の支出の多い時期と収益の出る時期にタイムラグがある建設業等にとっては、資金繰り面でメリットがある。

 一方で、受取側からすると、現金預金化にタイムラグがあるため、不渡りにより余計に現金預金化に時間がかかる可能性倒産により回収困難な可能性が生じる。

受取側のメリットとしては、資金同じ位置付けになるため裏書譲渡が可能。受取手形は期日前でも銀行で割引が可能である。(もちろん額面ではなく割引料を差し引かれた額での入金となる)

 

 

 受取手形を期日前に銀行で割引した場合、現金預金化された時点で取引が完全に終了したということにはならない。

 

なぜか。

手形を出した相手先を通しての決算ではないため、冒頭で示した可能性=決算期日に相手先が支払うことができないという可能性があるからだ。

 

 銀行は、期日前に手形を現金預金化しているため、相手先から支払いされない限り銀行が仮で負担しているという状態にある。

 相手先が支払えない場合は、こちらが相手先に代わって手形を買い取る(=支払う)義務が生じる。その生じた義務(=負債に値)を管理するために、「保証債務」を立てる。

【例題】

前提条件

 前T/Bの受取手形残高 600,000千円

 満期日前の額面金額250,000千円の手形を銀行で割引した。

 割引手数料は250千円 当座預金に入金

 割引時における保証債務の時価相当額は、手形額面×2%

 保証債務費用は手形売却損に含めて表示する

 

【会計処理】

(当座預金) 249,750  (受取手形) 250,000

(手形売却損) 5,250  (保証債務) 5,000

 

【B/S・P/L・個別注記表の表記】

この例題のみで試算表を作成してみると下記のようになる。

 

 

また、支払う可能性を抱えていることは利害関係者にも示す必要があるため、個別注記にも下記のように記載する。

 

〈貸借対照表に関する注記〉

1.      受取手形の割引高 250,000千円

【まとめ】

手形割引時に生じる「保証債務」は、『負債』に表示され、割引料によって生じた「手形売却損」は、『営業外費用』の区分に記載する。「保証債務費用」として計上する場合も同様である。

 

また、割引した手形の満期期日が到来し、無事決済された場合には、下記のように会計処理をし、収益は、『営業外収益』の区分に記載する。

 

(保証債務) 5,000 (保証債務取崩益) 5,000

 

【ちなみに】

約束手形と同じような役割を持ち、冒頭の図で示した約束手形の一部のデメリットを克服した「電子記録債権」というものもある。電子記録債権は、その名のとおり電子データ上で発生・譲渡等を管理でき、約束手形では分割はできないが、電子記録債権では可能となる。そのため、回収できない可能性も低くなり、電子データで管理・視覚化できるため紛失・未回収などのリスクも回避できる。

Copyright (C) 2019 TONOSAKI ACCOUNTING FIRM All Rights Reserved.