夢乃の会計ノートAccounting note
「保険差益」や「国庫補助金」を計上した場合には、収益となり、その分、税金がかかってしまう。
その為、圧縮記帳で損金計上し、収益と相殺する。
会計処理の種類
①直接減額方式
②積立金方式
の2種類あるが、今回は①のみをまとめる。
【具体的な流れ】
①直接減額方式
ex)会計期間:4/1-3/31
〜災害発生時〜
当期2/21に建物が火災によって全焼した。
当該建物には、2,700千円の保険金が付されている。
当該建物
取得原価:7,800千円
期首減価償却累計額:5,148千円
定額法・間接法で償却
耐用年数:50年
残存価額:0
〜期中処理〜
(減価償却累計額)5,148 (建物)7,800
(減価償却費) 143
(保険未決算)2,509
〜保険金の確定〜
当期2/28に、保険会社から保険金2,700千円を現金で受領した
(現金)2,700 (保険未決算)2,509
(保険差益) 191
〜建物の取得〜
当期3/1に代替資産として建物8,000千円を上記の保険金を加えた現金で取得。同日事業の用に供す。
(建物)8,000 (現金)8,000
【決算仕訳】
決算に伴い、圧縮記帳を行う。
減価償却の計算は、旧資産と同様。
100円以下は切り捨て
(建物圧縮損)2,509 (建物)2,509
(減価償却費) 9 (減価償却累計額) 9
なお、B/Sに記載されている建物の額は実際の取得価額とは異なる為、注記に記載する
〈貸借対照表等に関する注記〉
1.建物から保険差益相当額2,509千円が控除されている
【まとめ】
圧縮記帳を行うことで、取得価額が減額することから、減価償却費(費用)も減額するため、トータルで支払う税額は変わらないということになる。
圧縮記帳の有無では、「いつ」税金を支払うのかが変わるのである。
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