夢乃の会計ノートAccounting note
②試用販売
試用販売は、試用時点ではまだ、販売が確実になっていないため、売上計上はできない。(=実現主義)
買取意思表示があった時点で、売上を認識する。=決算整理時に手許商品に加えて認識する必要がある。
【例題1】
期末手許商品:180,000円
試用販売は、当期から開始している
試用販売の原価率は、78%である
・未処理項目
・試送中の商品について、300,000円の買取意思表示・70,000円の返品が当期中にされていた
<考え方>
前T/Bに「試用品」勘定がないこと、「試用仮売上」があることから、「対照勘定法」で処理を行う
①未処理項目の処理
(売掛金) 300,000 (試用品売上) 300,000
(試用仮売上) 300,000 (試用未収金) 300,000
(試用仮売上) 70,000 (試用未収金) 70,000
②決算整理
1,370,000-300,000-70,000=1,000,000
1,000,000×0.78=780,000
手許商品180,000+780,000=960,000
(仕入) 740,000 (繰越商品) 740,000
(繰越商品) 960,000 (仕入) 960,000
【例題2】
期末手許商品:180,000円
試用販売は、当期から開始している
試用販売の原価率は、78%である
試用品の期末棚卸高:834,600円
・未処理項目
・試用品について、300,000円(売価)の買取意思表示が当期中にあった
・54,600円(原価)の返品が当期中にされていた
<考え方>
前T/Bに「試用品」勘定があることから「手許商品区分法」で処理を行う
①未処理項目の処理
(売掛金) 300,000 (試用品売上) 300,000
(仕入) 54,600 (試用品) 54,600
※1 834,600-54,600=780,000
②決算整理
(仕入) 2,503,800 (試用品) 2,503,800
(試用品) 780,000 (仕入) 780,000
(仕入) 740,000 (繰越商品) 740,000
(繰越商品) 180,000 (仕入) 180,000
【まとめ】
例題1・例題2を商品BOXでまとめると以下のようになる
この問題については、総合問題で出題される場合、必ず未処理項目があるため、試用販売に関する勘定だけでなく、売掛金も変わってしまう可能性がある。その場合、貸倒引当金等も関わってくるため、大きく失点してしまう。
また、個別問題であれば、この考えを基本として、分記法や総記法も絡んだ問題が出てくるだろう。
素早く・正確に解けるようにする必要がある。
続く
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